プラスチック成形機やリサイクル機器の機械メーカーとして、老舗の企業となる株式会社プラコーですが、国内トップレベルの技術力を持ち、業界屈指の地位を築いています。
今回は、株式会社プラコー(以下、プラコー)について次の内容をご紹介してきます。
・プラコーの概要、事業内容
・プラコーの商品の特徴と強み
・プラコーの評判
・プラコーの業績
続きをお読みいただけますと幸いです。
プラコーの概要・事業内容
プラコーはどんな会社なのかご紹介したいと思います。
会社概要
創業は1960年で埼玉県さいたま市に本社を置きます。
東証スタンダードに上場しており、さいたま市に本社、工場を持ち、東京オフィス、大阪支店、九州営業所と全国に展開をしています。
事業内容
プラコーの主な事業は、ブロー成形機やインフレーションフィルム成形機などのプラスチック成形事業をメインにしています。
成形された製品を提供しているのではなく、プラスチック製品を成形するための機械を製造・提供することを事業にしています。
また、昨今はリサイクル機器の事業にも参入しそのシェアを伸ばしています。
プラコーは、プラスチック成形機メーカーとして、プラスチック製品の再利用にも貢献していくという社会的責任を担ってもいます。
プラコーの商品の特徴と強み
プラコーはプラスチック加工機械専門メーカーとして、特許の登録件数は9件(廃棄物を利用したボード成形機、樹脂成形品の製造方法など)となっており、ダイバーロック機構の型締装置や横パリコン装置(パリソン肉厚調整装置)など実用新案権の登録は4件と確固とした自社技術を保有しています。
その中でプラコーの主な商品の特徴、強みを解説します。
インフレーションフレーム成形機

インフレーションフィルム成形は、押出成形のひとつでプラスチックの袋状フィルムを成形する手法のことを言います。
最終製品として、スーパーのレジ袋のような規格袋、農業用ビニールハウスのビニールなどを作る設備になります。
プラコーのインフレーションフィルム成形機では、最大10層の多層技術を持っておりフィルムの高機能化を実現しています。
材料切り替えも簡単にできることから、小ロット多品種の製造にも適しているのが特徴になります。
多種多様なフィルム成形に対応していることもプラコーの技術の特徴になります。
今後は、畑に敷いているビニールがそのまま土に帰る生分解性フィルムになるようなものや、医療用で使う血液や液体を入れる高度な医療用機器に対応した製品が作れる設備開発も強化していくとのこと。
ブロー成形機

ブロー成形機では、自動車のプラスチック系の燃料タンクや食品、日用品の容器などを成形することができる機械になります。
食品などを扱う容器は安全性が重視されるので、クリーンルームに対応した全電動式のブロー成形機もプラコーの得意分野のひとつになります。
また、プラコーのブロー成形機は従来の油圧式から電動式を採用することにより、省エネ約20%、設置スペースを約15%削減し、クリーンで低騒音化に成功しています。
多層3次元ブロー成形機や二重壁深絞り成形機といったこれまで不可能と言われていた技術の確立にも成功しています。
リサイクル機器

プラコーでは、プラスチック製品をリサイクルできる機器も得意としており、簡単に小コストでできる設備を開発しています。
コンパクトな設計の一軸式破砕機、低騒音で処理能力の高い二軸式破砕機や高速破砕機などがあります。
また再生ペレット装置では、インフレーションフィルム成形機のインライン・アウトラインどちらでも使用ができるような設計になっており、冷却方式を空冷にすることによって水の使用量を大きく削減することに成功しています。
提供機器のメンテナンス体制
プラコーの提供している機器は、高額な設備であり、また何十年も使う設備でもあるのでメンテナンスが不可欠になります。
その為、全国の顧客工場に訪問修理ができる体制の構築、予備品の提供できる体制を構築しています。
またお客様側から予備品の在庫を見たり、購入することができるECサイトも設けています。
プラコーの評判や口コミ
プラコーは、大型機械メーカーということでBtoBを主戦場としている為、顧客などの評判や口コミを見つけることができませんでした。
そこで、今回はプラコーで働いている社員の評判や口コミを調査してみました。
成長・働きがい
社風・組織体制
年収・給与・手当
プラコーの業績と今後の見通し
プラコーは東証スタンダード市場企業で、証券コードは6347、1株あたりの配当金は6.0円(2022年実績)となっています。
決算期は3月末、株主総会は毎年6月に行われています。
プラコーの売上高は、2019年3月期より毎年少しずつ減っている状況です。
ですが、総資産や純資産、自己資本比率が増えていることから経営は安定しているとも見れます。
プラコーは創業60年を超える老舗機械メーカーであることから、大手企業との取引も多く、景気に左右されにくい経営体制にもなっているのが特徴です。
プラコーの業績ハイライト(単位:百万円)
2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
売上高 | 2,990 | 2,952 | 2,714 | 2,719 |
営業利益 | 401 | 470 | 188 | 195 |
総資産 | 2,217 | 2,900 | 3,106 | 2,308 |
純資産 | 830 | 1,086 | 1,343 | 1,282 |
自己資本比率 | 37.5% | 43.2% | 55.5% | 54.5% |
また、プラコーは自社の置かれている状況に対しては当然の危機感を持っており「100年に一度の産業社会の変革期」と捉えています。
これまでは、プラスチック成形機の機械メーカーではトップクラスにいたということもあり、利益確保できれば良いという保守的な経営思想でしたが、企業として成長戦略と利益拡大を目指していく方針へと変更しています。
中期的な目標として、2025年度の売り上げ目標を100億円としています。
コア事業のプラスチック成形機事業だけではなく、時代に合ったリサイクル事業の促進、関連事業として電気自動車や水素自動車、ロボットやAIなど協業する企業と提携しながら積極的に展開していくとしています。
まとめ:株式会社プラコーについて
株式会社プラコーについてご紹介してきました。
・プラコーの概要、事業内容
→プラスチック製品を成形する為の機械を提供している
・プラコーの商品の特徴と強み
→ブロー成形機、インフレーションフィルム成形機が主な製品
・プラコーの評判(従業員の口コミ)
→給与体系の諸手当はしっかり支給され、人間関係も良好との情報
・プラコーの業績
→現在は緩やかに売上が下がっているが、100年に一度の変革期と捉え成長戦略に舵切りをしている
プラコーは歴史ある機械メーカーである為、保守的な経営体制をとってきましたが、昨今は取り巻く環境の変化に危機感を持って事業活動をしていることが伺えます。
元々の基幹事業であるプラスチック成形機事業をベースに、シェアの回復だけでなく未来の産業製品や環境に配慮した製品を作る為の設備開発を目指していくことになります。
積極的な成長を目指す企業に変わったプラコーの展開には、今後も注目してきたいですね!